
2007年10月5日〜14日「歩いて楽しいまちなか戦略」社会実験の概要
2007年9月4日の第4回歩いて楽しいまちなか戦略推進協議会で決定された社会実験の内容の概要です。なお、協議会の時点で予定であった内容がその後確定したものについては、以下では確定の文章表現としてあります。
社会実験のテーマ
目的
社会実験により、「歩いて楽しいまちなか」の素晴らしさをイメージ・体感していただくことで、効果と課題を検証し、将来のまりづくりに向けた具体的な課題を深め、素晴らしいと実感できる空間を早期に実現すること。
確認したい事項
- 安心安全
- 歩行者が主役となった安心安全な歴史的細街路を見た住民の印象はどう変わる?
- 賑わい
- ゆったりとした四条通を歩く人の印象はどう変わる?
- 快適
- あることが当たり前の違法駐輪がなくなることで、まちの見え方はどう変わる?
実験メニュー立案の考え方
社会実験として行う施策が、地区が抱える問題を解決できる内容で、かつ将来的な施策として導入することを前提として実施します。ただし、周辺への影響・負担を可能な限り軽減するために、手法・日時・場所を限定して試行します。
社会実験のメニュー
将来的な交通施策
- 歴史的細街路における一般自動車交通制限(対面通行等)+歩車共存道路化
- 四条通における歩道拡幅+トランジットモール化(四条烏丸〜四条大橋西詰間)
- 地区全体での自転車対策(駐輪場の設置、マナー向上)
社会実験のメニュー
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- 通過交通の抑制
- 歴史的細街路における自動車交通制限(臨時交通規制として)+歩車共存道路
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- ゆとりある歩道の実現
- 四条通における歩道拡幅+トランジットモール化(トランジットモールは四条河原町まで)
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- 歩行者と自転車の共存
- 地区全体での自転車対策(臨時駐輪場の設置、放置自転車の撤去、走行マナー向上)
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- より便利なバスサービスの実現
- バスベイ設置、バス停集約、100円循環バスの活用等
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- 共同荷捌き場の設置
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- 快適に来訪できる方策の実現
- KICS(レール&ショッピング)との連携等
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- 広報・周知
社会実験のスケジュール
社会実験の各メニューの実施スケジュールは下図の通りです。
- 阪急地下通路の一部スペースを利用した「駐輪場ブース」のイメージ展示も、社会実験にあわせて実施します。
社会実験の各メニューの実施計画
1. 通過交通の抑制
実施方針
- 2006年度の交通実態調査から、歴史的細街路を通行するクルマの5〜6割が“地区に用のない”通過交通であることが把握できました。
- 歴史的細街路の魅力と機能を大きく損ねている通過交通を抑制する方策として、「歴史的細街路における自動車交通抑制」と「東洞院通における通過交通の抑制」を実施します。
実施計画概要
- 寺町通〜東洞院通間の歴史的細街路について、臨時の交通規制として「車両通行禁止」を実施します。
- また、通過交通の割合が最も高い東洞院通において、蛸薬師通〜錦小路通間を対象に臨時の交通規制として「北行き一方通行(=現状は南行き一方通行)」を実施します。
2. ゆとりのある歩道の実現
実施方針
- 四条通では、狭い歩道に歩行者とバス待ち客が交錯するとともに、交差する歴史的細街路からは多くのクルマが流入・通過する状況にあります。
- 歴史的都心地区の玄関口にふさわしい品格と景観を有し、まちを歩くこと自体が一つの楽しみとなる、徒歩と公共交通が中心の空間の実現に向けた方策として、「四条通における歩道拡幅とトランジットモール化」を実施します。
実施計画概要
- 四条河原町〜四条烏丸交差点間において、4→2車線規制を行うことで「歩道を拡幅」するとともに、臨時の交通規制として「路線バス・タクシーのみ通行可(一般車両通行禁止)」とします。
- また、四条大橋西詰〜四条河原町交差点間において、4→2車線規制を行うことで「歩道を拡幅」します。
歩道拡幅時の四条通の演出方法について
- 社会実験時の四条通の歩道拡幅方法としては、物理的に歩行空間を拡げるだけではなく、歴史的都心地区の玄関口としてふさわしい品格と景観に配慮した方法を工夫します。
- そのため、単に歩車道境界を物理的に区切って無機質な道路上を仮設の歩道とするのではなく、将来的にハードウェアを整備した姿を仮想的に体験できる演出方法として、歩道との段差がないデッキ(テラスのようなイメージ)を一部区間に設置します。
- デッキ製作・設置にあたっては、京都工芸繊維大学と連携して実施します。
- また、歩車分離を行う機材はデザイン性を重視し、イメージを高めるため、通常よく使用される赤い三角コーン+コーンバーではなく、厚紙製の円筒材とします。
3. 歩行者と自転車の共存
実施方針
- 2006年度に実施した京都市の調査から、歴史的都心地区において約2,000〜3,000台の放置自転車があることが確認されました。
- 道路空間を占領し、美観を損ねるとともに、歩行者の安全性にも影響する放置自転車対策として、地区内の既存駐車場等を一時借り上げ・転用することで「臨時駐輪場」を設置します。
- あさせて、2007年9月に発足する都心部撤去班による「放置自転車の撤去」も強化します。
- また、阪急地下通路の一部スペースを利用した「駐輪場ブース」のイメージ展示も、あわせて実施します。
実施計画概要
1) 臨時駐輪場の設置について
- 歴史的都心地区内の既存駐車場や公共施設等を一時転用し、「臨時駐輪場」を設置します。
- 臨時駐輪場の管理運営については、京のアジェンダ21フォーラムと連携して実施します。
2) 放置自転車の撤去について
- 臨時駐輪場の設置、誘導に併せて、放置自転車の撤去を行い、地区内において、放置自転車がない広々とした道路空間を演出します。
- 都心部撤去班(2トン車2台)を中心に、集中的な撤去を行います。
- 通常行う1日2回(午前1回、午後1回)の撤去に加え、効果的な撤去を行うために、夕方や夜間の撤去も実施します(1日の撤去台数100台以上)。
- 特に放置自転車が多い場所では4トン車による撤去も行います。
- 京都市総合教育センターや市役所など京都市関連施設と、既存の平面・時間貸しの駐車場など民間施設の駐輪場・駐車場とあわせて、地区全体で1,500台分程度のスペースを確保します。
臨時駐輪場の利用促進に向けた対応
1) 周知・PRについて
- 臨時駐輪場の利用促進に向けては、事前の周知を効果的に行うことが重要となります。
- 事前周知においては、歴史的都心地区内の店舗・事業所から、自転車で訪れるお客様に対して臨時駐輪場の位置を明示したチラシを渡して「撤去が強化されているので無料の臨時駐輪場をどうぞ」と勧めていただくことが有効と考えられます。
- その上で、当日の臨時駐輪場への誘導については、現状において放置自転車の多い箇所(ろっくんプラザ、御射山公園、藤井大丸の周辺等)に実験スタッフを配置して案内誘導を行うことも考えます。
2) 管理・運営方式について
- 各臨時駐輪場にスタッフを配置し、自転車の整理や利用の注意事項の周知、利用者へのヒアリング調査等を行います。
- また、全体を統括する監督スタッフを数名設け、必要に応じて現場を巡回します。監督スタッフと駐輪場スタッフとは携帯電話で定時連絡・確認を行うとともに、突発的なトラブルが生じた場合には、即時連絡を取り、速やかな対応を行います。
- スタッフは「歩いて楽しいまちなか戦略」のスタッフジャンパーを着用します。
3) 盗難・事故防止、残留自転車への対応について
- 現在の市営駐輪場と同様に、利用者への自己責任を基本的な考え方とする。
- そのため、施錠は利用者各自で行うこと、駐輪場内で生じた事故・怪我等について駐輪場運営者は一切関知しないこと、臨時駐輪場閉鎖後に残っている自転車は市役所で一時保管すること等、利用に際しての注意事項や問合せ先を記したチラシを作成し、駐輪場スタッフが利用者の「入場時」に漏れなく配布するようにします。
- また、同内容のポスターを駐輪場内に掲示します。
4) 料金設定について
- 将来的な施策化(駐輪場の開設)に向けた取組と位置づけるのであれば、有料とすることも一案です。
- しかし、今回の社会実験では、自転車利用者に抵抗感なく臨時駐輪場に停めていただくことで放置自転車が少ない心地よいまちなかを創出すること、その上で臨時駐輪場利用者にアンケート(聞き取り)調査を実施して望ましい料金設定や駐輪場設場所等に関する意向のデータを得ることで将来的な施策に役立てること、の2点に重点を置き、臨時駐輪場は「無料」とします。
4. より便利なバスサービスの実現
実施方針
- 徒歩と公共交通を中心とした歴史的都心地区の将来像実現に向けて、公共交通の利便性向上を図るため、「四条通におけるバス停集約およびバスベイ設置」と「『100円循環バス』の活用」を実施します。
実施計画概要
- 四条通歩道拡幅+トランジットモール実施時において、定時性に優れた路線バスサービスの提供と拡幅された歩道空間の有効活用のため、「バス停集約およびバスベイ設置」を実施します。
- 歴史的都心地区内における短距離移動の支援強化策として、現状の「100円循環バス」の「ピーク時の増発」と「運行時間の延長」を行います。
- また、社会実験の周知・PRを行うため、10月6日(土)、7日(日)、8日(祝)と13日(土)、14日(日)の5日間は、平成19年4月に導入した小型バス「ポンチョ」を使用して、100円循環バスを運行します。
- また、使用する車輛(「ポンチョ」)にラッピングすることで、社会実験の周知を図ります。
5. 共同荷さばき状の設置
実施方針
- 歴史的都心地区においては、細街路や幹線道路上での荷さばき活動が散見され、交通阻害の要因となっています。
- 四条通の歩道拡幅+トランジットモール実施時には、四条通および歴史的細街路の一部で車両通行禁止とすることを予定しているため、路上での荷さばきができなくなります。
- そのため、社会実験時には、荷物の搬出入が多いことが想定される場所近くの施設等の一時転用(借上げ)による共同荷さばき場の設置を行います。これにより、共同荷さばき場の利用動向(需要)を把握するとともに、各事業所・商店の自助努力による荷さばきの整序化(ルースづくり、共同荷さばき場の設置)を促進します。
実施計画概要
- 10月9日(火)〜10月14日(日)の6日間、9時〜21時の時間帯で最大積載量5トン未満の貨物自動車等を対象とした無料の共同荷さばき場を設置します。
共同荷さばき場の利用促進に向けた対応
1) 周知・PR
- 共同荷さばき場の利用促進と社会実験当日の混乱・トラブル回避には、事前の周知を効果的に行うことが重要です。
- 事前周知においては、臨時の交通規制を実施する四条通および歴史的細街路に面した店舗・事業所や社団法人京都府トラック協会を通じて、運送会社等に案内・通知します。
- 当日は、共同荷さばき場入口付近の看板等で周知を図ります。
2) 管理・運営方法について
- 共同荷さばき場出入り口にガードマンを1名配置し、通行する歩行者の安全管理等を行います。また、場内にスタッフを1〜2名配置し、共同荷さばき場の利用状況に関する調査(時間帯別の利用台数、利用時間、共同荷さばき場設置の事前周知の有無等)を行います。
- スタッフは「歩いて楽しいまちなか戦略」のジャンパーを着用します。
3) 盗難・事故防止等への対応について
- 利用者の自己責任を基本的な考え方とします。
- そのため、車の施錠や荷物の管理は利用者各自で行うこと、共同荷さばき場内で生じた事故・怪我等について運営者は一切関知しないこと等、利用に際しての注意事項や問合せ先を記したチラシを作成し、共同荷さばき場スタッフが利用者の「入場時」に必ず配布するようにします。
- また、同内容のポスターを共同荷さばき場内に掲示します。
6. 快適に来訪できる方策の実現
実施方針
- 歴史的都心地区への来訪手段としては、公共交通(鉄道・バス)の利用が多く、自動車は1割程度となっていますが、それでも幹線道路を中心として道路渋滞が生起している状況が見られます。そのため、交通環境改善策の前提として自動車交通総量の抑制が必要と考えられます。
- 公共交通の発達した歴史的都心地区の特性を生かし、可能な限り公共交通利用を促進するとともに、都心中心部までの自動車アクセスをコントロールする方策が有効と考えられます。
- ただし、荷物が多い、同行者に高齢者や子どもがいる、自宅からの公共交通網が十分ではない等、自動車でしか都心に来られない方もいるため、自動車でのアクセスを完全に否定する考えは取りません。適切な共存策を見出します。
実施計画概要
- 公共交通利用者への優遇措置として、KICS(きょうと情報カードシステム)の「レール&ショッピング」の取組と連携します。
- 都心地区周辺や近隣の駐車場への案内・誘導を行います。
7. 広報・周知
実施方針
- 社会実験の実施について事前に広く周知し、歴史的都心地区内だけでなく市内中心部自動車交通の抑制、混雑の緩和および安全かつ円滑な実験実施を図るため、事前および当日の周知・PRを充実させます。
実施計画概要
1) 『歩いて楽しいまちなかニュース』の配布
- 「歩いて楽しいまちなか戦略」の取組経過、社会実験の案の内容についてとりまとめた『歩いて楽しいまちなかニュース』第3号を7月5日(木)から約1週間かけ、歴史的都心地区周辺の住民に対して全戸配布(約24,000枚)しました。
- また、市役所本庁舎、区役所等の施設においても配布を行っています。
2) 周知うちわの配布
- 「歩いて楽しいまちなか戦略」の考え方と社会実験の実施日程について広く周知を図るため、祇園祭が行われていた7月13日(金)から15日(日)の3日間、四条烏丸交差点および四条河原町交差点周辺、四条通店舗周辺において、周知うちわを約10,000枚配布しました。
3) 地元説明会戸の実施
- 社会実験の実施に関して特に大きな影響を受ける日彰学区において、8月21日(火)に住民説明会を実施し、「歩いて楽しいまちなか戦略」の考え方、社会実験の内容および実施日程について説明と質疑応答を行いました。
4) 横断幕および立て看板の設置
- 社会実験実施の1ヶ月前から、歩道橋への横断幕、路上への立て看板を設置します。
- 臨時の交通規制を安全・円滑に実施するために、歴史的都心地区に向かうドライバーに対して、「できるだけ手前」の段階から「複数回」周知する機会を設けます。
5) 駐車場案内システムブロック案内板での広報
- 京都市内の幹線道路に設置している「駐車場案内システムのブロック案内板」を活用して、社会実験実施の約1ヶ月前から、社会実験と臨時交通規制の周知を行います。
6) 市バス車両での広報
- 四条通、河原町通など市内中心部を運行する市バス車両(約200台)の側面に垂れ幕を設置することで、社会実験のPRを行います。
7) 情報板、ラジオ放送等の活用
- 情報板、ラジオ放送等、道路交通情報を取り扱う京都府警察、京都国道事務所等関係機関への協力依頼を行います。
- また、KBS京都とFM京都で、9月17日(祝)から10月14日(日)までの約1ヶ月間実施が企画されている「Kyoto Radio Day 07 『ECOES』 〜環境にやさしいスローライフ提案〜」(両局の昼のワイド番組内で5分程度の環境コーナーを設定)で、スポット的に社会実験の周知を行います。
8) 電鉄会社フリーペーパーでの広報
- 阪急電鉄の駅にて無料で設置・配布されている阪急沿線情報誌『TOKK(トック)』に、社会実験の周知記事を掲載します。
9) チラシの配布
- 臨時交通規制の周知を主とした社会実験内容を周知するチラシを作成し、規制対象沿道の住民・事業所へ配布します。
10) 京都市の広報媒体の活用
- 『市民しんぶん』(10月1日号)への記事掲載、情報表示モニュメント(市役所前広場や京都駅前の文字表示装置、ゼスト御池マルチビジョン等)での周知、区役所防災案内板等を活用し、情報提供を図ります。
11) ホームページの活用
- 京都市都市計画局交通政策室のホームページ において、周知を行います。
12) 四条通地下道に「駐輪場ブース」を設置
- 阪急地下通路の将来的な活用方法を検討するため、社会実験とあわせて、地下通路の一部スペースを利用した「駐輪場ブース」のイメージ展示を行います。
- なお、この「駐輪場ブース」はあくまでもイメージとしての展示であって、実際に自転車利用者が駐輪場として利用するものではありません。
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